配信文を考える時間がないとき、生成AIに下書きを頼めるのは心強いことです。ただ、AIに任せきりにすると、お店の信用にかかわる失敗が起きることもあります。
公式LINEは、一度来てくれたお客様に「思い出してもらうきっかけ」を自然に作ることができる強力なツールです。メールと違って、お客様がふだんから開いているLINEに届くため、読まれやすいのも強みです。だからこそ、届ける1通の中身には、お店が責任を持ちたいところです。
この記事では、AIで配信文を作るときに任せてはいけない3つのことを、実際にAIが書いた文章の例つきで紹介します。
目次
この記事でわかること
- ざっくり頼んだとき、AIが何を想像で埋めるか
- AIに任せてよいことと、任せてはいけないこと
- お客様の個人情報を貼らないための置きかえ方
- 送る前に自分で確かめたい数字や事実
- AIの文章をお店の言葉に直すコツ
ざっくり頼むと、AIは足りないところを想像で埋める
まずは、ざっくり頼んだ場合を見てみましょう。
例のお店は、宮崎県高鍋町の小さな和菓子屋です。
頼んだ一文:「宮崎県高鍋町の小さな和菓子屋です。秋の新作のお知らせを、LINE配信用に書いてください。」
2026年10月時点で、生成AI(Claude)で実際に試した結果です。
🍁 秋の新作和菓子のご案内 🍁
いつも〇〇堂をご利用いただき、誠にありがとうございます。
朝夕の風に、秋の気配を感じる季節となりました。この秋、季節の味覚をたっぷり詰め込んだ新作和菓子が登場します。
🌰 栗きんとん
宮崎県産の栗を贅沢に使った、上品な甘さの逸品です。
🍠 芋ようかん
ねっとり甘いさつまいもを、なめらかに仕上げました。
🍂 紅葉の練り切り
職人が一つひとつ手作りした、目にも美しい秋の一品です。数量限定のため、なくなり次第終了となります。
ご予約・お取り置きも承っておりますので、お気軽にお声がけください。皆さまのご来店を、心よりお待ちしております。
読みやすく、ていねいな文章です。でも、よく見ると、頼んだ一文には書いていないことがたくさん入っています。
- 栗きんとん・芋ようかん・紅葉の練り切りという3つの商品
- 「宮崎県産の栗」「職人が一つひとつ手作り」という説明
- 「数量限定」「ご予約・お取り置き」という約束
どれも、AIが「和菓子屋の秋の新作なら、こうだろう」と想像で書いたものです。お店に芋ようかんがなかったり、取り置きをしていなかったりすれば、そのまま送った配信がお客様への約束になってしまいます。
AIが悪いわけではありません。
足りない情報をそれらしく埋めるのは、AIの得意なことです。だからこそ、どこまでを任せるかを、お店の側で決めておく必要があります。
AIに任せるのは「下書き」まで

AIが得意なのは、文章の形を整えることです。言い回しの候補を出す、長さを調整する、書き出しの1行を作る。こうした作業は、どんどん任せてかまいません。
ただ、丸ごと任せるのと、下書きだけ任せるのとでは、次のような違いが出ます。
丸ごと任せると
- お客様の名前を貼ってしまう
- 想像で書かれた事実が残る
- どのお店にもある文章になる
下書きだけ任せると
- 名前を書かずに頼める
- 事実を自分で確かめられる
- 最後の一言をお店の言葉にできる
AIに下書きまで任せて、最後の一言は自分で書く。
これが、いちばん安全で、お店らしい使い方です。頼み方の基本は、AIに配信文の下書きを頼む方法で紹介しています。
AIに任せてはいけない3つのこと

ここからは、具体的に気をつけたい3つのことを紹介します。
お客様の個人情報を貼らない
AIに貼り付けてはいけないのは、お客様の個人情報です。
たとえば、次のようなものです。
- お客様の名前や、LINEの表示名
- 電話番号・住所・メールアドレス
- 予約の内容や、トークのやりとりそのもの
- 体の悩みなど、お客様が打ち明けてくれたこと
これらは、お客様がお店を信頼して預けてくれた情報です。サービスや設定によっては、入力した内容がAIの改善に使われることもあります。その先でどう扱われるかは、お店の側では管理しきれません。
名前を出さなくても、AIには十分に伝わります。「3か月来ていない常連さん」「小学生のお子さんがいるお客様」のように、どんな人かに置きかえて頼みましょう。
一方、お店の名前や住所、営業時間、メニューのように、お店がすでに公開している情報は、書いて大丈夫です。
むしろ書いたほうが、お店に合った下書きが返ってきます。
⚠️ お客様から届いたトークへの返信をAIに考えてもらうときも、名前や連絡先を消してから貼ってください。
数字や事実は自分で確かめる
AIは、あなたのお店の値段も、在庫も、定休日も知りません。それでも、先ほどの例のように、それらしい商品名や約束を書いてしまうことがあります。
送る前に、次の4つは必ず自分の目で確かめましょう。
- 値段・期間・日付と曜日
- 商品名と、その説明
- 「数量限定」「予約できます」などの約束
- 「地域でいちばん」「大人気」などの言い切り
このブログの記事も、下書きの一部はAIに手伝ってもらっています。
以前、AIが書いた下書きに、公式サイトには存在しないツールの名前が入っていたことがありました。公開前に公式サイトで確かめて気づきましたが、それらしく書かれているほど見落としやすいものです。
頼むときに「書いていない商品名や数字は足さないでください」と一言添えると、想像で埋められる部分が減ります。
送る前の確認には、送信前のチェックリストも使えます。
最後はお店の言葉に直す
AIの文章は、ていねいで整っています。でも、そのまま送ると、どのお店から届いても同じような1通になりがちです。
先ほどの例の言い回しを、お店の言葉に直すと、たとえば次のようになります。
| AIの言い回し | お店の言葉に直すと |
|---|---|
| この秋、季節の味覚をたっぷり詰め込んだ新作和菓子が登場します。 | 今年も、栗の季節がやってきました。 |
| 数量限定のため、なくなり次第終了となります。 | 毎朝炊いた栗で作るので、数に限りがあります。 |
| 皆さまのご来店を、心よりお待ちしております。 | お散歩のついでに、のぞいてみてくださいね。 |
直すときに書き足す事実は、お店の人が知っていることだけにします。
直すコツは、声に出して読んでみることです。店頭で自分が言わない言い方があれば、そこが直すところです。全部を書き直さなくても、書き出しと最後の一言を自分の言葉にするだけで、ぐっとお店らしくなります。
AIに「もっと短く」「うちはこんな堅い言い方はしない」と返して、往復しながら近づけていくのもよい方法です。
何を伝えるかは、お店の人が決める
AIは、文章を書くのは得意です。
でも「何を伝えるべきか」を決めるのは、お店の人にしかできません。
店頭でお客様に「新作、楽しみです」と言われたら、何と返しますか。たとえば「栗がいい出来なんです」。その返事の言い方が、そのままお店の言葉です。
AIは、この一言を知りません。
このブログでも、AIが手伝った下書きは、公開前に必ず私が読んでいます。注意書きが広すぎて、読んだ方を必要以上に心配させる文になっていたこともありました。誰に、何を、どんな言い方で届けるか。そこを決めるのは、いつも人の側です。
画像をAIで作るときの注意は、LINE配信の画像をAIで作る方法で紹介しています。
💡 公式LINEは、SNSと違って認知の拡大は得意ではありません。そのかわり、リピーター獲得やファンづくりに強みを発揮します。顔なじみのお客様に届くからこそ、最後の一言はお店の言葉で届けましょう。
次に読みたい記事常連さんにこそLINEを|「また来てくれる人」に届ける感謝の例文つき
まとめ
- ざっくり頼むと、AIは足りないところを想像で埋める
- AIに任せるのは下書きまで、最後の一言は自分で
- お客様の名前は書かず、どんな人かに置きかえる
- 値段・日付・商品名・約束は、送る前に確かめる
- 声に出して読み、お店の言葉に直してから送る
次の配信では、AIの下書きの最後の一言を、自分の言葉に書きかえてみてください。
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